後期高齢者医療制度、介護保険制度などの論議になると、<strong>「このままでは現役世代の社会保障費の負担が増大し、維持できなくなるから、高齢者にも応分の負担をしてもらわなければならない」という意見が出される。少子高齢化社会では高齢者の医療費、介護費が増大し、それを少ない人数の現役世代が支えなければならない訳だから、何も手を打たなければ一人当たりの負担が増大するのは間違いない。
少子高齢化社会確かに大変な時代になったものである。しかし、老人が増えれば、医療費や介護費が増えるのは避けられない。そして医療費や介護費用は『負の消費財』なので他の出費のように節約できないのである。つまり誰が負担するかは別にして社会全体としては負担せざるを得ない費用である。大体、医療費にしろ、介護費用にしろ、それを必要とする人が全額自分で負担できれば、まさに受益者負担であり、制度的にも単純で一番良い。しかし、それでは病人や要介護人の負担が大き過ぎるので、医療や介護を必要としない健康な人や若い人も含めて広く相互負担するのが保険制度である。現役世代の保険料負担を少なくしても、年金収入の中で保険料を負担できない老人が増えたり、医療保険や介護保険で十分な医療やサービスが受けられなくなれば、親を見捨てる訳にいかない子供世代が保険料を肩代わりしたり、自費で医療を受けさせたり、介護を頼んだりせざるを得なくなるのである。病気や要介護の親を抱えた現役の子供だけの負担が大きくならないようにするためには、保険制度により広く皆で負担した方が良いのである。
つまり、『負の消費』(好んで使うのではなく、必要性から仕方なく使う)が増大したら、『正の消費』を削るしかないのである。もう一つ、人口が減っても知恵と努力によって経済を活性化し国の財政を潤沢にすることである。それが政治家に最も求められていることなのである。
互助社会論―ユイ、モヤイ、テツダイの民俗社会学
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